東京ルミナスピラー

そして、乱暴に尻尾をビルの壁面に叩き付けたかと思ったら、俺達に倒れ込むようにして大きな顔が迫って来たのだ。


背面の顔も意思があるように、大きな口を開けて。


当然、その程度の動きを見切るのはわけはない。


余裕で回避した俺は、仰向けに倒れたのならチャンスと日本刀を掲げた。


だが、目の前で仰向けに倒れたはずの友里の脚が、全て反対方向を向いて。


ほんの一瞬で、裏表が反転して、何事もなかったかのように暴れ始めたのだ。


溜めが終わる0.3秒。


それよりも早く体勢を整えた友里が尻尾を振る。


「まずい!」


慌てて飛び上がったが、友里も戦い慣れて来たのか、俺が飛び上がった場所に脚の尖端が突き付けられていたのだ。


一本ならトンファーで防ぐことは出来る。


だけど迫っているのは二本で、まだチャージしきれていない日本刀を振り下ろしてもほとんど効果はないだろう。


いや、ここは防ぐ為にあえて溜めを解くべきか。


その思考の僅かな時間。


予想外の出来事が起こりすぎて、判断力が鈍ったと言わざるを得ない。


そんな俺の迷いの隙を突いたかのように、友里の脚の尖端が俺の脇腹に刺さった。