東京ルミナスピラー

この人は、この人達は母さんの知り合いなのだろう。


偶然にしては、こんなに変貌した街でそんな人達と出会うなんて凄い確率だと思うけど、今の涙に嘘はないと信じたい。


「あー、やめやめ! 恵梨香の子供だって言うなら、私は戦えない! 悪いね拓真くん」


涙を拭い、両手を顔の前でブンブンと横に振って見せた吹雪。


そう言ってもらえて……助かったのはこっちの方だ。


今の俺達でこの2人と殺し合いに発展したら、とてもじゃないけど勝てる気がしなかったから。


「俺は別にいいっすけど。大丈夫っすか?」


ショートソードを手から離し、心配そうに吹雪の顔を覗き込む拓真。


一応、立場上は敵になる俺達の前で、こうして普段通りの会話が出来ているのが、俺とこの人達との力の差なのだ。


杉村でさえ、その差を痛感しているのか手出しが全く出来ない様子。


「気を付けなよ。今はまだ、この街が出来たばかりだから皆手探り状態だけどさ、回数を重ねるごとに、敵同士でこんな会話なんて出来なくなるからね。出会えば問答無用で命の奪い合いになるよ」


吹雪が俺を指さしてそう言ったけれど、なにか腑に落ちない。


結城昴もそうだったけど、どうしてこの人達はこの異常な街のことを知っているんだろう。