東京ルミナスピラー

日本刀とトンファーを取り出し、屋上の柵に足を掛けて、ビルが倒壊している方へと飛んだ。


今までに感じたことのない超高速の疾走感。


だけどどこか懐かしささえあるこの感覚。


そうか……きっと母さんが感じた感覚が、俺の中で生きているんだ。


俺は一人じゃないと思えるだけでも、この狂った街で生きる支えになる。


空中を踏み付けてさらに加速。


道の向こうのビルの屋上に着地してすぐさま駆け出す。


「病み上がりとは思えない速度ですよ葵くん! いやあ、本当に素晴らしい!」


「その体型でピタリとついて来てる大塚さんも相当だと思いますけどね」


小さく拍手をしながら、満面の笑みで俺を見る大塚さん。


なるほど、結城さんや千桜さんが信頼するはずだよ。


俺が力任せに荒々しく移動しているのに対し、大塚さんはまるで風のようだ。


ふわりと舞い、突風のように駆け抜ける。


それだけで実力が判断できるほど凄まじい技術だというのがわかるよ。


「もうすぐ到着ですよ葵くん! 戦闘準備をお忘れなく!」


「いつでも大丈夫ですよ。もう、俺に迷いはありません」


不思議と心は穏やかなまま、俺達は化け物との戦闘に突入しようとしていた。