東京ルミナスピラー

俺がそう言うと、大塚さんは驚いたように目を丸くして俺を見ていた。


なんだろう、もっと違う言葉を期待していたのかな。


「い、いやはや。まさか18年前に、私が偉そうに昴くんに言ったのと同じような言葉を聞けるとは思いませんでした。そう、自分の想いを貫けば、必ず邪魔が入ります。そこで突き進むか諦めるかは自分自身……葵くんはもう、その答えを出したんですね」


両手を背中で組んで、目を細めてバベルの塔を見上げた大塚さん。


俺が答えを出したと言うよりも、母さんの想いが今ならわかるような気がしたからそう言ったんだけどな。


「ですがその前に、鬼王・黒井さんをどうにかしなければなりません。あの人が東軍を、そして鬼を牛耳っているとなると、バベルの塔に登ろうとすればいち早く察知し、排除しに来るでしょうからね」


黒井を倒すのは必須か。


どの道、黒井や津堂を無視してバベルの塔に行こうだなんて思っていない。


いずれは決着を付けなきゃならないか。


「それにしても、なんで黒井はあんな悪魔みたいな格好なんですか? 空も飛んでたし、コスプレじゃなさそうですよね」


「黒井さんは……光の壁が発生した時にあの姿になったと聞いてます。バベルの塔が希望の象徴なら、黒井さんは絶望の象徴なのだと」


そんな話をしながら、俺は月影と接触出来る時を待った。