東京ルミナスピラー

正直言って、それが可能なのかさえもわからない。


とんでもなくぶっ飛んだ願いだとは思うけど、控え目で常識的な願いなら叶うわけでもないだろう。


「ええ、そもそもこんな街が出来たことがイレギュラーなんですよ。もしも、大切な人が生き返って元の生活に戻れたとしても、殺し合った記憶は残ってしまうでしょう?」


その言葉は、灯を殺した俺自身に言ったのかもしれないな。


二度と思い出したくない、胸を締め付ける記憶だ。


「そうですか。ですがその願いだと、反発する人もいるでしょう。この街で出会い、愛を育んだ方もおられるはずです。この街だからこそ、自らの凶暴性を解放して生きる術を身に付けたという方も少なくはないでしょう。その人達の想いを全てないものにしてでも、葵くんは自分の願いを叶えたいと思いますか?」


随分意地悪な質問だな。


どちらかを取れば、どちらかが悲しむという典型的なパターンだけど、それを言い出したら前に進めなくなってしまう。


「自分の意見を押し通せば、必ずそれに反発する人が出てくるのは当然。だけど俺は進みます。たとえ世界中の誰からも認められることがなくても。俺は、俺が信じた道を疑いません」