東京ルミナスピラー

「瓜原舞美……杉村泰成……んで、こっちの子は……名鳥灯。は? 名鳥!? もしかしてあんた、お父さんは順一だったりする?」


スキャンで一人一人調べていた吹雪が、灯を見るなり驚いたような声を上げた。


そりゃあ北軍だったら、自軍で一番強い人間のことは知ってるか。


「え、ええ。お父さんは順一です」


「はぁ……やっぱり世間は狭いもんだね。ちょっとびっくりしちゃったよ」


そう言ってPBSを閉じると、灯を舐め回すようにジロジロと見始めた。


灯はなんとなく父さん似だから、よく見れば親子だとわかるかもしれないな。


「い、いやいや……吹雪さん、名鳥さんもびっくりでしょうけど、こいつの方がもっと驚くと思いますよ……」


拓真もPBSを開いてスキャンをしたのか、俺を指さして苦笑いをしている。


俺が?


俺の名前なんて、この街では有名でもなんでもないだろうに。


「はぁ? 驚く名前が2人もいてたまるかっての。どれどれ……少年の名前は……」


再びPBSを開いてスキャンをしたのだろう。


吹雪が俺の方を向いて、そして大きく目を見開いて動きを止めたのだ。


「北条……葵? まさかとは思うけど、あんた……恵梨香の」


「北条恵梨香は俺の母親です。俺が生まれてすぐに死んで、それで……名鳥順一に育ててもらいました」


俺の言葉が吹雪にどんな影響を与えたかはわからない。


だけど、大きく見開いた目から一粒の涙が零れたことで、なんとなく……察することができた。