「俺のことを知ってるみたいですけど、あなたは誰なんですか? あと、ここはどこかわかりますか?」
ベッドから足を下ろして、そう尋ねると男は慌てて立ち上がって、ペコリとそのバーコード頭を下げた。
「これはこれは、失礼しました。私は大塚紀久と申します。昴くんや千桜さんとは、18年前からの知り合いでして。ピンチのところを昔のよしみで助けていただきました。ここは昴くんのグループのアジトのようですね」
「つまり、月影派のアジトってことか。大塚さん、今の状況を教えてくれませんか? この街は今、どんな流れの中にいるのかが知りたいです」
部屋の中は薄暗く、夕方か明け方かわかりにくかったけど、夕蘭が寝ているということは恐らく明け方。
夕方なら聖戦の最中だからな。
「ふむ、目覚めてすぐに状況把握しようとするその姿勢は感心します。ですが、少々ショッキングな内容かもしれませんよ?」
「別に良いです。やることは変わらないので」
ベッドサイドに置かれていたパーカーを手に取り、それに袖を通して、フードの紐に気付いた俺は、紐を引き抜いて灯の指輪に通した。
ネックレスのように首にかけて、落とさないように。
ベッドから足を下ろして、そう尋ねると男は慌てて立ち上がって、ペコリとそのバーコード頭を下げた。
「これはこれは、失礼しました。私は大塚紀久と申します。昴くんや千桜さんとは、18年前からの知り合いでして。ピンチのところを昔のよしみで助けていただきました。ここは昴くんのグループのアジトのようですね」
「つまり、月影派のアジトってことか。大塚さん、今の状況を教えてくれませんか? この街は今、どんな流れの中にいるのかが知りたいです」
部屋の中は薄暗く、夕方か明け方かわかりにくかったけど、夕蘭が寝ているということは恐らく明け方。
夕方なら聖戦の最中だからな。
「ふむ、目覚めてすぐに状況把握しようとするその姿勢は感心します。ですが、少々ショッキングな内容かもしれませんよ?」
「別に良いです。やることは変わらないので」
ベッドサイドに置かれていたパーカーを手に取り、それに袖を通して、フードの紐に気付いた俺は、紐を引き抜いて灯の指輪に通した。
ネックレスのように首にかけて、落とさないように。