面白くないと思いながらも、舞美の興味は宗司がどれほど強くなったのかということだけだった。


蘭子は相変わらず化け物じみた強さだが、距離を取って戦えば勝てないわけではないし、「鉄の女」窪田沙也香は同じ遠距離武器。


だけど、矢弾の補充が必要ない弓の方が、条件次第では強いというのもわかっていた。


だから、ここでの最重要人物は宗司だけ。


それを見極めるのに、大和田は絶好の相手と言える。


力が拮抗しているのなら、加勢して宗司が身動きが取れないようにすれば良し。


大和田の方が強いなら、そのまま半殺しにすれば良い。


「HAHAHA! 今回は正々堂々と一対一で勝負するつもりか? 前は卑怯にも二人掛かりで挑んで来やがったが、今の俺は強い! そっちの二人と合わせて、三人で来てもいいんだぜ?」


大和田は、弱っている相手をいたぶるのが趣味の、サディスティックな人間だ。


いくら口で調子に乗っていても、油断することはないというのは、舞美は理解していた。


「ああ、そうだ大和田。前に言っていたよな? 俺達の正義は『相対的な正義』だって」


宗司が尋ねている間に、大和田は武器のスキルを使って姿を消した。