その5秒後、俺はひなたに日本刀を突き付けていた。


他の四人はロビーの中央で重なるように倒れているから。


「う、嘘だろ……俺がこんなにもあっさり。ピヨ……テメェ、どんだけ強くなっちまったんだよ。それほど強いのに俺達を裏切ったのかよ」


紅散花閃の応用と言うか、本来、一人の相手の身体を蹴り続けて、日本刀でなます切りにする技だけど、今回は四人が同時に掛かってきた。


だから俺は、四人の外側に飛び、空中と浜瀬さん達を、中心に全員が集まるように円を描くように蹴り続けたわけだ。


トンファーでダメージを与えながら。


後は、お互いの武器でお互いを傷付けあったってわけだな。


「だから、俺じゃないって言ってるだろ。そうか、舞美さんはいないのか。ちょっと聞きたいことがあったんだけど」


「舞美ちゃんになんの用があるってんだよ。仲間の居場所は絶対に吐かねぇぞ。それが俺達のプライドだからな!」


そう、杉村が言ったけど、身体を起こした浜瀬さんが首を横に振って見せた。


「やめろ杉村。葵くんは……舞美ちゃんを疑ってるんだろう。俺達も気付いてはいたが、それを信じたくなくて葵くんに疑いの目を向けていたのかもしれない。もちろん、完全に葵くんの疑いが晴れたわけではないが」