「お前以外に誰がいるってんだ! よその軍に行って、ろくに自軍の防衛もしない野郎が! 説得力なんて皆無だぜ! 構えろオラ! 仲間だったよしみでタケさんに引き渡すのはやめてやる! ここで殺してやんよ!」


話をしても無駄のようだ。


俺が何を言っても、きっとこの人達は信じてくれない。


裏切り者じゃないという証拠を提示するのは難しい……と、なると、もしも本当に裏切り者がいるのなら、そいつを見付けるしかないわけだ。


「……舞美さんの姿が見えないみたいだけど」


「舞美ちゃんはいつもの哨戒任務だ。言っておくぜ、お前が会いたがってたってよ」


「それなら自分で言うよ。悪いけど、こんな所で足止めを食らいたくないんだ」


俺を裏切り者扱いしているとは言え、この街に来たばかりの俺を拾ってくれた人達だ。


日本刀ではなく、両手にトンファーを持ち、大きく息を吐いた。


武器を取り出して、一斉に俺に襲い掛かる。


俺は……どれだけ強くなったのか。


どれだけ速くなれるか……今のままでは黒井にも、高山真治にも通用しない!


俺の技は、複数人を同時に相手にしても使えるはずだ!