東京ルミナスピラー

「そうか、そういうことか黒井め。小僧、名乗れ。今から殺す相手の名は知っておきたい」


「北条葵。お前こそ名乗れよ。スキャンしてもエラーになるなんて、只者じゃないだろ」


「北条……か。俺に勝てたら名前を教えてやるよ」


俺は教えたのに、なんてやつだ。


こうなったら、意地でもこいつに勝って名乗らせてやる。


半身で左手のトンファーを前に、右手の日本刀を顔の前に構える、空手のような構えの俺に対し、日本刀と鞘を逆手に持つスタイルのホームレス。


棒立ちなのに、まるで隙が無くて。


あの日、タケさんが戦うのを拒んだ理由がわかる。


こいつ……とんでもなく強いぞ。


「どうした? 来ないのか? ならば、こっちから行くぞ?」


そう言って一歩、足を前に出したと思った瞬間。


いつの間に距離を詰めたのか、男の拳が俺の腕の下から突き上げられていた。


ギリギリ目で捉えることができた!


間に合えと祈るように、左手を引いて下に腕を下ろした。


ギィンという金属が聞こえて、その攻撃を何とか防いだものの、男は手を回し、素早く日本刀をトンファーの上に移動させて、フックでも放つかのように拳を振り抜いたのだ。