東京ルミナスピラー

だがそれは、この場では十分異質な光景だった。


聖戦が始まっているというのに、この男性はどうしてこんなにも余裕でいられるんだ。


「……ふむ。珍しくお客が来たと思えば。たったの五人とは。余程腕に自信があるのか、それともただのバカか」


ティーカップをテーブルに戻し、ゆっくりと椅子から立ち上がった男性は、俺達に目を向けると途端にため息をついた。


「ん? お前……どこかで見たことがあると思ったら、緑川! 緑川じゃないかよ! 忘れたのかおい! 俺だよ俺! 俺俺!」


男性を見て、神谷が嬉しそうに話し始めるけど、男性は相変わらず呆れたような表情で。


「オレオレ詐欺ですか? 誰かと思えば神谷銀二に雨村吹雪。それに南軍のアホ、橘杏子ではないですか。その二人のガキは知らない子ですね」


「あーっ! アホとか酷い! 私はアホじゃないもん! アホって言う人がアホなんだよ!」


小学生みたいな反論を始めた杏子を見て、俺はもしかするとこの男性が言うように、杏子はアホなのかもしれないと思ってしまったじゃないか。


「あんたまでこの街にいるとはね。昔のよしみだ。ここには人探しに来ただけで、東軍とことを構えるつもりはないよ。だから見逃してくれないかね? 緑川秋太(みどりかわしゅうた)