東京ルミナスピラー

「ここはあえて……正面から東軍に入るよ。かなり危険だけど、もしかしたら守りが手薄になってる日かもしれないし」


なんという大胆な作戦だ。


一番重要なポイントから、隠れもせずに堂々と侵入しようだなんて。


「なるほどな。そういうことか。膠着状態が続き、お互いに迂闊に手が出せない状況だからこそ、ここに兵を置かずに別の場所から攻める戦法を取られているかもしれない的な……あれ? 俺の言ってること合ってるよな?」


神谷がなんとか話について行こうとしているけど、途中でよくわからなくなったみたいで首を傾げる。


「大丈夫、合ってるよ。じゃ、考えても仕方ないから行こうか。葵、あんたは灯を守ることを最優先に動きなよ」


「はい!」


吹雪さんに促され、俺はそう返事をして光の壁に向かって歩いた。


一体、どれほどの大軍勢が待ち構えているのかと。


「うおおおおおおおおっ! 弁慶ディフェンスゥゥゥッ!」


東軍に入るなり、ウォーハンマーの石突きを地面に突いた神谷が吠えた。


が、想像していたような大軍勢の歓迎も、矢の歓迎もなかった。


いたのは、道の真ん中で椅子に座り、テーブルの上に置かれたティーカップを口に運ぶ初老の男性の姿だけ。