東京ルミナスピラー




『聖戦が開始されました。皆さん、頑張ってください』




頭の中にその声が聞こえて、俺は光の壁に顔を向けた。


激しい戦闘が始まる……と思ったけれど、予想とは大きく異なり、どちらの軍も侵攻しようとしない。


お互いに相手の出方を窺っているのか、にらめっこが続いている状態だ。


「静かですね。聖戦が始まったっていうのに、どっちも動かないなんてことがあるんですね」


伊良がいなくなり、何が起こっているのかを杏子に尋ねてみると、杏子は交差点を指差して。


「見て、ここは交差点の真ん中で光の壁に分断されてる。一気に大量の人が流れ込むのに適してる場所なんだよ。だけど逆を言えば、敵側も同じだってこと。ここを突破されたら自軍が危うくなるから、ここは最重要ポイントなんだよね」


当然、ここだけを守ればいいと言うわけではないにしても、このポイントを中心に戦略を立てられるというわけか。


「なるほどね。じゃあどこから侵入する? 地上か、ビルの上か、それとも地下か。ここを避けるってのが一番現実的かね?」


こういう話なら、大和さんが得意なんだけど……改めて考えると難しいな。


でも、こういう時の為の杏子だ。


何か良い案を持っているに違いない。