東京ルミナスピラー

食事と話がひと段落して、聖戦まで残り一時間を切った。


伊良と杏子は、聖戦に備える為に外に出て、神谷も俺に気を遣ったのか、店の前で番をしてくれている。


店の中には俺と灯の二人だけで、静かな時間が流れていた。


「お前と二人で行くつもりだったのに、なんか騒がしくなっちゃったな。神谷は津堂の仲間だったけど……悪いやつじゃないみたいだし、伊良さんは俺を恩人だって言ってくれてる。そんなつもりはないのにな」


俺の肩に頬を寄せて寝息を立てる灯に、独り言のように呟いて。


どうして灯が、俺と結婚しようなんて言い出したのか……今ならわかる気がする。


灯はきっと、あの時にはもうわかっていたのかもしれない。


津堂の人体実験によって化け物に変えられて、恐怖と不安で、何かすがるものがほしかったんだ。


俺のことを好きでいてくれたというのに嘘はないだろう。


それがわかっているから、俺だって灯の気持ちに応えたいと思ったわけだからさ。


「大丈夫さ。きっと津堂は見付かる。そして、元に戻る薬か何かがあって、何もかも元通りになるさ。俺が見付けてやる。絶対に」


そう呟いて、俺は灯の額に頬を寄せた。