東京ルミナスピラー

「それにしても、俺は東軍なのにどうして伊良さんは俺に食事を奢ってくれるんですか? 確かに、結果的に杏子さんを助けることにはなりましたけど。それだって杏子さんにソウルストーンが残っていたからで、俺が直接助けたわけじゃないのに」


俺がそう尋ねると、伊良は不思議そうに首を傾げて、ボリボリと頭を掻いて。


「お前にはわからねぇかもしんねぇけど、こういうのは理屈じゃねぇんだ。昔、結城がそうだったように、お前は俺達が南軍だからって理由で戦っちゃいないだろ? 雰囲気でわかるぜ。お前、バベルの塔を目指すつもりだろ?」


伊達に歳を重ねていないということか。


そんな話を一切していないのに、俺が目指すものを言い当てるなんて。


「伊良ちゃんが言ってた『運命の少年』がこの葵くんだってこと?」


「さあな。でも素質はあると思うぜ。昔、結城に感じたのと似た物を感じるんだよ」


ここでも「運命の少年」か。


それだけ、この地獄から解き放ってくれる人物の登場を望んでいるということだろうな。


「俺は……そんな大層なものじゃないですよ。そんな力があるのなら、きっと大切な人をこんな目に遭わせなかったでしょうから」