東京ルミナスピラー

一階から、一つ一つ部屋を調べていくけれど、特に変わった様子はない。


蛎殻町公園の隣にあるホテルみたいに、死体があるわけでもないし、何か実験を行っていたような形跡もない。


単純にこの階ではないだけかもしれないと、二階に上がってみると……さらに雰囲気が変わったのがわかった。


きっとここだ。


津堂が人体実験をしていた場所は、ここに違いない。


いや、今の俺には津堂が何をしていようと関係のないことだ。


灯を元に戻すことが出来たらそれで良い。


廊下には、何かを引きずったような血の跡があり、それは一つの部屋に続いていた。


暗く、冷たい空気が張り詰められて、緊張感が喉の渇きを感じさせる。


何かが飛び出して来ても、灯は守らなければと、後ろに回した手に日本刀を握り締めた。


ギシ……ギシ……。


と、何かが軋むような音が聞こえる。


誰かいるのか?


そう思いながら、血の跡が続く部屋のドアをゆっくりと開けると……もわっと鼻を突く死の臭い。


鉄の臭いだけではなく、何かが腐ったような、そして排泄物のような臭いも混ざって、悪臭としか言えない臭いになっている。


その部屋の真ん中に……それはあった。