東京ルミナスピラー

そんな馬鹿な。


宗司は確かに、化け物が舞桜を食って、灯も食ったって……いや、灯のことは推測だったか。


よく考えてみれば、腑に落ちないことがあの時沢山あった。


どうして舞桜が食われて、宗司は食われなかった?


どうして割れた窓ガラスが部屋の中にあまり落ちていなかった?


どうして……灯と舞桜がいるあの部屋を、ピンポイントで化け物は襲ったんだ。


武器が折れているとはいえ、結城さんは経験の差とも言うべきものを見せ付ける戦い方。


力任せな化け物の攻撃を、折れた日本刀で上手くいなしている。


そして、攻撃もしかけて、化け物の身体は血に染って行く。


「力は強いが、戦い方がまるでなっちゃいない! これなら今の俺でもやれる!」


化け物が振り上げた武器を後方に飛び退いて回避し、下がった頭に向かって日本刀を振る結城さん。


「ま、待って!」


俺は……咄嗟に結城さんと化け物の間に割って入って、日本刀で結城さんの攻撃を受け止めたのだ。


「な! どういうつもりだ葵! 何をしているのかわかっているのか!?」


「ま、待ってください結城さん……この化け物は……灯かもしれないんです」