東京ルミナスピラー

どちらが動くのが先か。


微動だにせず、呼吸でさえも止めて。


その極限の緊張感の中、結城さんの靴が地面と擦れ、ジャリッと小さな音を立てた。


瞬間、タケさんの左の拳が高密度のエネルギーの塊を放ったのだ。


カラオケ店で見た、超高速の拳。


お互いに回避しようとするけど、完全には避け切れない!


でも、俺と結城さんの考えていることは同じだった。


結城さんに向かって、横に蹴りを放った俺に対し、結城さんも俺に蹴りを放っていたのだ。


お互いの足がぶつかり、お互いを道の両脇に弾き飛ばして超高速の拳を回避した。


歩道にある柵を足場に、タケさんに向かって走る。


結城さんも電柱を蹴り、タケさんへと走る。


ほんの一瞬、俺か結城さんかで迷いが生じたようだったけど、決定的な隙とはならなかった。


そして、どちらに仕掛けるでもなく、俺達を待ち構えるように、腰を落として防御姿勢に入ったのだ。


一歩、踏み込む度にタケさんとの距離が大きく詰まる。


二歩、足が地面に着く前に、左下に構えた日本刀を斜めに振り上げた。


超高速の移動でもタイミングは完璧。


結城さんのような居合いではないけれど、身体の捻りと素早い腕の振りを限界まで活かした攻撃だ。