東京ルミナスピラー

「ん……ダメだね、全然それらしい人が見えない。もっと東軍側を調べなきゃダメかね」


まるで水中にいた人が、水面に顔を出した時のように大きく息を吸って、吹雪さんが意識を取り戻した。


空に待っていた意識が戻るってこんな感じなのか。


「おいおい、一体どこを調べてんだよ。普通、アジトっつったら隅田川沿いだろ。水が近くにないと落ち着かねぇっての」


協力するとは言え、王我が何やらわけのわからないことを言い出したぞ。


そんなのは個人の自由だし、こいつがそう思うだけだろうに。


王我の発言に、呆れたようなため息を吐く千桜さんと吹雪さん。


でも、結城さんだけは考え込むように首を傾げていた。


「確かにここのマンションも隅田川の近くにあるな。もしかして、お前と煌我は双子だから、煌我も川沿いじゃないと嫌だとか?」


「んなもん知らねぇけどよ、まだ池田派が活動してた時は、向こうの川沿いのビルをねぐらにしてたぜ。俺達は海育ちだからよ、水が見えないと不安になんだよ」


今こいつ、しれっと重要なことを言ったぞ。


千桜さんも吹雪さんも、ハッとしたようにお互いに顔を見合わせて。


今度は結城さんが呆れたようなため息を吐いた。