東京ルミナスピラー

「そんなに溜まってるなら、友里にここに来るように言ってあげるよ。あの子、葵が大好きだから、何だってしてくれるよ。私とやれなくて残念でした」


「べ、別にそういうつもりじゃないし! 俺で遊んだな!?」


「言ったでしょ。お礼だって。探してくれたのは嬉しかったし、葵に会って安心したのは嘘じゃないから」


俺から逃げるように、入り口に向かって走る夕蘭。


そして、ドアを閉める直前にボソッと呟いたのだ。


「葵……泣いちゃダメだよ」


パタンとドアが閉まり、俺は再び暗い部屋に一人きり。


「泣くかよ。こんなことくらいでさ」


とは言うものの、変に期待してしまっただけにこの感情をどうすればいいのか。


二時間後と言われたけど、あれからまだ15分しか経っていないし、寝るにも興奮して眠れない。


「夕蘭にここに行けと言われた。葵を慰めてこいと言われた」


突然、ノックもせずにドアを開けて、部屋の中に入って来たのは友里。


ほ、本当に言ったのかよ!


「い、いや、そんなことしなくていいから!」


「ダメ、葵を慰める。頭を撫でればいいか?」


子供かよ……と思いながらも理性が全力で働いて、俺は首を縦に振った。


「じゃ、じゃあそれで」


そして俺は、ただひたすら友里に頭を撫でられるというよくわからない事態に陥った。


この時の夕蘭の言葉の意味なんて何もわからずに、ただ時間を潰していたんだ。