東京ルミナスピラー

「あ、葵は私を探してたの? 探してくれてたんだ」


寝転んでいるから、夕蘭の顔はわからないけど、声が嬉しそうだ。


「探すに決まってるだろ? あれから全然姿を見なくなったし、心配だったからさ」


「ふふっ。優しいね葵は。そんな優しい葵に、お姉さんからお礼をしないとね。ほら、目を瞑って」


振り返って笑顔で俺を見た夕蘭に、ちょっとドキッとして、俺は言われるままに目を閉じた。


この流れは……多分そうだよな。


でもいけない。


俺には灯がいて、浮気なんて俺にはとてもじゃないけど出来ない!


と、頭の中では考えるけれど、身体は完全に受け入れ態勢に入っている。


そして、唇に何かが触れた。


冷たくて……そして硬い。


一体なんだと目を開けてみると、唇の上に乗っていたのは筒状の何かわからない物体だった。


「な、なんだこれ!?」


「コンビニで買った閃光弾。使えるかなと思ったから買ったけど、葵にあげるよ。それとも……生意気にも何か別の物を期待してた?」


そう言って、自分の唇をつついて見せた夕蘭。


くそっ!


そう言われると何も言い返せない!


なまじ期待しただけに、ガッカリ感は異常だ!