東京ルミナスピラー

結城さんが不思議そうに、部屋の中を見て首を傾げる。


状況から見れば、今の女は鬼なのだろう。


ソウルストーンがないのに、強姦目的でやって来て食われた。


内臓をベッドの上にぶちまけて、男は虚ろな目で天井を見上げていた。


「いや、角がありませんでした。それに、鬼なら問答無用で飛び掛かってくるはずですよね? だけど今の女は……俺を見て逃げました」


「ちょっと待て。だったら人間だって言うのか? この男の内臓を食うような人間がいるのか? 角がなかったというのは見間違いじゃないのか?」


結城さんらしくない。


頭に手を当てて、思っている疑問を全部吐き出すように俺に尋ねる。


「わ、わかりませんよ。でも、角がなかったのは間違いないです」


「……葵、あんた本当に気付いてないの? 私の見間違いかもしれないって思ったけど……今の子、灯じゃない?」


俺の後に、間髪入れずに夕蘭がそんなことを言い出した。


確かに、灯と体格や髪の長さなんかは似ていたけど、ここに灯がいるはずがないというのを知っているから。


「それはない。灯は北軍で、化け物に食われて死んだんだ。万が一最短で復活したとしても、今頃は西軍にいて、南軍にいるはずがないだろ?」