東京ルミナスピラー

そう言って耳を澄ませた結城さんは、何かを辿るかのようにゆっくりと顔を上げて天井を見上げた。


「音が聞こえる……興奮しているのか、呼吸が荒い。うん? 他にも二つ音が……まさかあいつら、帰れと言ったのに!」


「え、何? 結城さんどうしたの?」


慌てた様子でベッドから立ち上がった結城さんに、夕蘭は何がなんだかわかっていない様子で尋ねる。


「そうだ。強い鬼が出没する噂の他に、このホテルに裸の女が逃げ込んだってあいつら言ってた。てことは……」


「その裸の女がいる階を、あいつら知っていたな。俺達がいた二階で降りたのは、先に入った邪魔者を始末する為……と考えるのが妥当か」


そう言えばあいつら、エレベーターに乗っている時から武器を持っていた。


誰かと遭遇したら殺すつもりだったのか。


「ちょっと、それ大変じゃない! さっきも言ったけど、強姦目的でここに来るやつって多いんだからね! 裸の女なんて、そんなの襲ってくれって言ってるようなもんじゃない! 結城さん、何階かわからないの!?」


「そう思ったなら少し静かにしてくれ。そんなに遠くない……だが、この音の感じからして……二階上、八階だ!」


そう言うと同時に結城さんは部屋の入り口に向かって歩き出した。