東京ルミナスピラー

今のは鬼の爪!?


女が引き付けて、鬼が背後から忍び寄って殺すってことか!?


それにしても鬼が天井に張り付いているなんて初めて見たぞ!


などと考えている間に、すでに鬼は俺に向かって飛び掛かっていて。


しがみつかれて、もつれるように床に転がった俺は、息苦しさで必死に顔を動かした。


「あ、葵! くそっ! 離れろ鬼め!」


その予想外の鬼の行動に、結城さんも反応が遅れてしまったのか、慌てて俺から鬼を引き剥がそうと日本刀を鬼に向けたが……。


「葵? ちょっと待って! そこにいるのは葵なの? 本当に北条葵?」


廊下の奥にいた女性のその言葉で、結城さんの日本刀が動きを止めた。


「ぷはっ! な、なんだ!? って……お前、友里!?」


攻撃せずに抱きついたから、何かおかしいと思ったんだよな。


押さえつけたというより、抱き締められた感じだし、俺の顔に押し付けられた胸が気持ち良くも息苦しい。


「葵! 私、夕蘭、守った。ずっと守った。褒めてほしい」


そう言って、ギュッと俺を抱き締めた友里の頭を撫でたけど、俺も結城さんも状況を把握出来てはいなかった。