東京ルミナスピラー

二階でエレベーターのドアが開いた。


俺と結城さんは、突然襲われないように左右の壁に張り付いて警戒したけれど……どうやらその心配はなかったようだ。


シンと静まり返った、冷たく張り詰めた空気が漂う廊下。


そこに漂う死臭が、ここは普通の場所ではないというのを教えてくれる。


「……物音は聞こえない。だが油断はするな」


「は、はい……」


ゆっくりと、足音を立てないように歩き、一番最初の部屋のドアノブを破壊し、中に入った。


そして、部屋に入るとさらに死臭が強くなり、身体が拒絶しているのか、胃の中から熱いものが込み上げてくる。


「うっ……な、なんですかこの匂い。って、大体想像はつきますけど……」


「……想像を超えているかもしれないな。ここには鬼を探しに来たが、津堂の悪行を目の当たりにすることになるとは」


ベッドの枕元にある、照明のスイッチを押した結城さん。


淡い光が部屋を照らし出して……そして、壁に磔にされているその物体を俺は、とても直視出来なかった。


チラッと見ただけでも異様だと言うのがわかる。


金属の杭で壁に打ち付けられ、腹を裂かれた女性の死体。


内臓が流れ落ちて腐敗し、その顔は何故か笑っているように見えた。