東京ルミナスピラー

だけど千桜さんは首を縦に振らない。


それどころか首は横に振られて。


「月影さんが操られたとしたら、僕達は容赦なく月影さんを殺すでしょう。僕やわたるくんが操られても同じことです。やつらが手に入れたのは、もっと凄まじい力……タケさん……篠田武久です」


その口から語られた名前に、俺は頭をハンマーで殴られたかのような強い衝撃を受けた。


あの日、俺と夕蘭とタケさんの三人でバベルの塔を見た日。


ポーンに囲まれ、殺された俺にはその後のことはわからなかったけれど、まさかその時に。


普段のタケさんなら、間違いなく煌我や津堂に勝てるだろうし、操られるような道具を装着されるなんてことは考えられない。


となるとやっぱり……あの角が折れたポーンによってダメージを食らったということか。


他の個体と比べても、異常に強いあのポーン相手では無事では済まなかったということだ。


「そう、篠田さんを手に入れた煌我達は、南軍のどこかに潜みながら、伊良派や月影派を内部から侵食し続けている。月影に魂の鎖をつけられてはいないと言ったが、実際はそれよりも事態は悪いと言える」


聞けば聞くほど、南軍がどれほど酷い状況に置かれているかということがわかる。