東京ルミナスピラー

非常階段を上り、屋上に出た俺達は、父さんと覆面Qが戦っていた方を見た。


今は、激しい戦いが繰り広げられている様子はない。


一体どこに移動したのだろうか。


「なあ葵。お前、本当に灯を連れて親父さんに会うつもりか? 正直、今の状態で灯が耐えられるとは思えねぇ」


柵まで歩いた宗司が、柵にもたれてそう呟いた。


それは俺も考えていることだし、どう考えても無理だと思う。


「それに、この短時間で色んなことがありすぎて感情が追い付かねぇ。こんなことが続いたら、俺は心が壊れちまいそうだぜ」


弥生のことを言っているのだろう。


少しの時間とは言え、俺達と心を通わせて共に時間を過ごした人が、生の監獄にいるよりも死の解放を望んだ。


殺したのは俺だけど、どうして弥生が死ななければならなかったのか、それを考えると今でも悩む。


「意外と繊細なんだな。もっと図太いかと思ってた」


「うるせぇやい」


宗司の隣で柵にもたれて、ぼんやりとバベルの塔を見上げた。


ここからだと光の壁もなく、とんでもない大きさの塔が目の前に見える。


元はと言えば、突然こいつが現れて、光の壁に包まれたからこんな悲劇が起こったんだよ。


弥生だけじゃない。


似たようなことは、至る所で起こっているんだ。