東京ルミナスピラー

父さんを説得しようという試みはわかったけれど、それをするにもやはり気がかりは灯だ。


どう見ても体調が万全ではなく、明らかに顔色が悪いのがわかる。


どう考えても灯に動いてもらわなければならないのにだ。


「なによ。そんなに不安そうな顔しないでよ。ご飯を食べれば大丈夫。動けるから」


「不安にもなるだろ……お前、どれだけ衰弱してたと思ってるんだよ。それに……今の父さんは『動ける』くらいじゃすぐに殺されてしまうぞ」


我を忘れて暴れ続ける父さんの前に、一人で立つことも出来ない灯を連れて行くのは抵抗がある。


出来るなら、父さんを大人しくさせてから、灯に会いに来てほしいけど、それが出来たら苦労しないんだよな。


「灯は、葵と宗司の友達なのか? じゃあ、蘭子も友達」


「え? ふふっ。そうだね。蘭子ちゃんと私は友達だね」


蘭子なりに、灯の体調を心配してくれているのだろう。


そんな二人を見て、宗司が俺に目配せして立ち上がった。


「ちょっと屋上に行ってくるわ。周囲の確認もいないといけないからな。葵は俺と来い。蘭子は灯を見ててくれ」


「わかった。蘭子、灯と仲良くなるぞ」


なぜか妙にやる気になっている蘭子に任せて、俺と宗司は部屋を出た。