そんな俺達……主に宗司を見て、弥生が抑え切れなくなったのか、吹き出すようにして笑いだした。


「あはははははっ! 本当におかしい! あなた達、ここが敵地で、敵の私と一緒にいるのに、そんなにも自然体でいられるなんて。本当に変わった人達。フィーリングが合えば敵も味方も関係ないって話、何となくわかる気がするよ」


「そうだぜ? 俺達だって、この蘭子とは一時間ほど前に出会ったばかりだからな。仲良くなるのに時間なんて必要ねぇんだよ。まあ、時間を掛けて仲良くなったり、逆に仲が悪くなったりもあるけどよ」


「そうだね……もしも、もしもさ。もっと早くに私とあなた達が出会ってたら……変わってたのかな。関係性がさ」


それは、あの真輝斗達のことを言っているのかな。


見た感じ、真輝斗も弥生も制服を着ていて、同じ学校のブレザーに見える。


となると、学校にいる時からの知り合いなわけだから、真輝斗より先に出会うというのは難しいかもしれないけど。


「んなもん、今から変えれば良いだけだろ。一緒にメシを食ったら、そりゃあもう仲間だと思ってるけどな俺は。敵とメシなんて食ってられねぇし」


「そっか。そうだよね。うん。ありがとう」


宗司の言葉に何か、感じるものがあったのか、弥生は晴れやかな表情で空を見上げた。