弥生の言葉に、俺と宗司は顔を見合わせた。


蘭子はともかく、俺と宗司は元々友達だし、幼馴染みだし腐れ縁だし、仲が良いのは当然なんだけど。


「確かに東西南北の軍に分かれて戦ってるけどさ、個人単位で見たらそんなのどうでもいいんだよ、きっと。敵でも味方でも、仲良くなれる人もいれば敵対する人もいる。フィーリングっていうのかな。それが合えば、敵でもわかりあえるんだよ。弥生もそうだろ?」


「わ、私は……うん。そうかもしれないね」


俺の言葉に俯いて、口篭ったようだったけど、やっぱり仲間に対しての後ろめたさというのはあるのだろう。


「何も考えずによ、俺達の仲間になりゃあ良いんだよ。クソなグループは抜けて、さっきの吹雪さんのところに身を寄せればいいんじゃね? 夢子ちゃんも元は別のグループだったわけだしよ」


「! 宗司の口から蘭子の知らない女の人の名前が出た。浮気、許さない」


弥生に笑い掛けた宗司の股間に、無慈悲なパンチを放った蘭子。


声のひとつも出さずに、地面に崩れ落ちる宗司。


「お、おお……ダメだって言ったよね!? ここはダメだって、前に言ったよね!?」


「そうだった、ごめん」