「だからさ、人間と鬼との違いは、近距離で武器を出せるか出せないかの違いなんだよ。見ただろ? 俺が鬼の口の中に武器を出したのをよ」


「ああ、そう言えば俺も鬼の口の中に日本刀を出して貫いたことがある。人間相手には出来ないのか」


下手に隠れるよりも、堂々と歩いた方が正体がバレないという判断で、俺達四人はそんな話をしながら歩いていた。


「蘭子、試したい。宗司、ちょっと動かないで」


「い、いや……出ないのはわかってるけどよ、改めてそう言われるとめちゃくちゃ怖いなこれ」


そう言うと蘭子は宗司の背後に周り込み、尻に向かって必死にランスを出そうとしていたけど……どうやら出ないようで、少し不満そうに唇を尖らせていた。


「出ない。宗司の言う通り出ない」


「うおおおおおおいっ! 何俺の貞操を奪おうとしてんの!? お前のぶっといランスで俺のデリケートな部分を攻めないでお願い!」


「ごめん。お詫びは必ずするから」


堂々と……と言うには少し目立ちすぎな気がするな。


宗司の声の大きさが、道行く人の視線を独り占めしているじゃないか。


「あなた達、本当に別の軍の人達なの? ……なんか、仲の良い友達みたいに見えるよ」