「なるほどね。少年は光ちゃんの死から立ち直って、バベルの塔を目指そうって決めたんだね。それなのに何やってんだか、あのバカ親父は」
待ち合い室で、長椅子に座る俺達を眺める吹雪さん。
「ヴァルハラ」のタケさんに話を聞くことは出来たから、次は「バベル」の人にと考えていなかったわけじゃないから都合が良い。
何より吹雪さんは、夢の中に母さんと一緒に出てきたのだから。
改めてスキャンさせてもらうと、やはりBの文字が。
「吹雪さん。『バベル』にいたんですよね? 母さんとはそこで出会った。『バベル』も『ヴァルハラ』も、この街と同じような物だと聞きました。だから、バベルの塔に行けば願いが叶う……違いますか?」
「……半分正解。半分間違い。なんでも好きな願いが叶うわけじゃないよ。それにしても、何だって今頃恵梨香の話を? 今までにいつでもその話をする機会はあったじゃない」
「夢で見たんですよ。母さんと吹雪さんが若い頃、バベルの塔を目指すって話してた夢を。目が覚めた時に、このトンファーを握ってました」
そう言って吹雪さんにトンファーを見せると、吹雪さんは目を細めてトンファーを見詰めた。



