東京ルミナスピラー

そして、善吉医院にやってきた。


ここは……姉さんがいる場所という印象が強くて、今でもいるんじゃないかと思ってしまう。


杉村も忙しくてなかなか来られなさそうだし、夢子さんは退屈してるんだろうな。


なんてことを考えながら建物の中に入ると、シュンッと風を切る音が聞こえ、俺の目の前を何かが通り過ぎて壁に突き刺さった。


金属の輪っか。


それが高速回転しながら壁を削っている。


「……って、なんだ少年じゃないのさ。危うく顔面を削ぎ落とすとこだったよ」


受け付けの椅子に座っていたのは吹雪さん。


顔面を削ぎ落とすって。


確かにこの戦輪が壁に刺さるまで反応出来なかったし、下手すれば殺られていたかもしれないと思うとゾッとする。


「は、はは……実は聞きたいことがあって来たんですけど……」


「何となく察しはつくよね。名鳥さんのことだよね?」


「まあ、それもあるんですけど……灯は来てませんか? アジトからいなくなってて。父さんのところに来てるんじゃないかと思ったんですけど、父さんもあんな様子だし」


どうやら、灯のことは想定外だったようで、吹雪さんの表情を見ていたら、ここに灯がいないことは理解出来た。