東京ルミナスピラー

「うおおおおい! 何か蹴飛ばしちまったよ! なんだなんだ!?」


階段を下りきったところで、宗司が慌てた様子で声を上げた。


暗いところで何かに触れたりすると驚くから、その気持ちはわかるよ。


ぼんやりと光る青い腕を明かり代わりに、その蹴飛ばした何かを探した宗司。


そして、それを見付けたようで、ホッと胸を撫で下ろして呟いた。


「な、なんだ。人間のアゴか。驚かせちゃってさ」


……ん?


人間のアゴ?


俺が首を傾げると、宗司も慌ててもう一度それを照らす。


「うおおおい! なんで人間のアゴがこんな所に落ちてんだよ! しかもこれ……何かに食いちぎられたような感じかよ!」


「てことは、鬼に食われたんだろうな。人を食うなんて鬼しか考えられないだろ」


違和感の正体はこれだったのか。


いわゆる「はぐれ」の鬼が、ここをアジトにしていた人達を食い殺したんだろう。


「おいおい……なんだこれ、ゲロまで吐きやがってよ。食いすぎたから戻したってか? オエッ。今からメシでも食おうってのによ……」


「うう……蘭子、お腹が減ってるのにそんなの見たくない。早く行こう」


蘭子の言う通りだ。


わざわざ気持ち悪い物を見る必要なんてないし、早く食事にしたい。