東京ルミナスピラー

少し無礼かと思ったけど、俺がそう言うとタケさんは鼻で笑って。


「名鳥は過去の俺に似てる。でもな、運命を受け入れた俺と違って、名鳥は運命に抗うつもりだ。その結末を見てみたい。昔、俺が運命に抗っていたら……未来は違ったのかってな」


きっと、タケさんの中にそのことが小さなトゲのように刺さっていて、抜くことも出来ずにずっと気にしていたのだろう。


だけど、それだけじゃないと俺は思ってる。


本当は、姉さんが言ったように慈愛に満ちた人なのだろう。


「心強いお友達とお散歩の続きをするかね。光……お前は本当に幸せ者だよ」


タケさんは俺から傘を奪うと、灯に二本手渡した。


父さんと姉さんにさしてあげる分と灯の分ということだろうな。


「いいか葵。大丈夫だとは思うが、攻撃してくるようなDQNがいたら、俺とお前でぶっ殺すんだからな。ゴミクズ共が露払いをしてるからって気を抜くなよ」


そう言って傘をさすと、道路に出て行った。


拓真や舞桜をゴミクズ呼ばわりとか……タケさんはどれだけ強いんだよ。


いや、それより俺だけ傘がないんだけど。


俺はずぶ濡れになってついてこいってことか。


まあ、姉さんが濡れるよりはその方がいいんだけどさ。