東京ルミナスピラー

「こりゃあ……まいったね。まさか雨とは」


姉さんが濡れないようにと、慌ててブレザーを脱いで被せたけど、こんなのじゃとてもじゃないけど気休めにしかならない。


そうこうしている間にも、雨足はますます強くなり、店の軒先で雨宿りをすることになった。


「この雨じゃずぶ濡れになっちゃうね。どこかで傘を買ってこようか」


「俺、買ってくるよ。この先にディスカウントストアがあるから」


少しでも早く着きたいけれど、姉さんがこの雨で体調を崩したら、それこそ命が危ない。


それほどまでに、姉さんは衰弱しているように見えたから。


「よし、行くか」


雨の中、店まで走る覚悟を決めた時だった。







「この雨の中、どこに行こうってんだよ」







その声と共に、傘をさした男が一人。


ゆっくりと歩道を歩いて俺達の前に立ちはだかったのだ。


キャップを被っているその姿、その声は間違いない。


「タ、タケさん……」


「こんな時に篠田……本当にツイてない」


まるで、俺達が何をしようとしているかをわかっているかのように、目の前で仁王立ちになっていた。


キングのことは言ってないはずなのに。