こんな時に何を言ってるんだよ。
そりゃあまあ……ねぇ?
父さんにも姉さんにも言えることじゃないけど、キスくらいはしたけどさ。
「まあ、葵は私よりお姉ちゃんの方が好きみたいだけどね。今だってお姉ちゃんの為にやってるんだしさ」
「ちょ、お前何言ってんだよ! ね、姉さんも父さんも母さんも、灯も好きに決まってるだろ! 家族なんだからさ!」
必死に誤魔化す俺を、姉さんはクスクスと笑って。
「私も大好きよ、葵。いつもお姉ちゃんお姉ちゃんって、私についてきてたもんね。私の可愛い弟。いつも間にか私よりも大きくなっちゃったね」
「うん……そうだね」
そんな話をしている間に光の壁を越えて、西軍に入った。
ここからは父さん達にとっては敵地。
気を付けなければならない場所に入ったわけだ。
だけど、静かだ。
拓真達が露払いをしてくれているのはわかるけど、それにしても静か。
まるで、俺達だけが別の世界にいるような。
そんな感じがする。
その違和感に父さんも気付いたのか、辺りをキョロキョロと見回して不思議そうに首を傾げた。
中央通りを南下している途中で、徐々に空が暗くなり始めた。
日が沈んたわけじゃない。
黒い、陰気な雲が空を覆い始めて、ポツポツと雨を降らし始めたのだ。
そりゃあまあ……ねぇ?
父さんにも姉さんにも言えることじゃないけど、キスくらいはしたけどさ。
「まあ、葵は私よりお姉ちゃんの方が好きみたいだけどね。今だってお姉ちゃんの為にやってるんだしさ」
「ちょ、お前何言ってんだよ! ね、姉さんも父さんも母さんも、灯も好きに決まってるだろ! 家族なんだからさ!」
必死に誤魔化す俺を、姉さんはクスクスと笑って。
「私も大好きよ、葵。いつもお姉ちゃんお姉ちゃんって、私についてきてたもんね。私の可愛い弟。いつも間にか私よりも大きくなっちゃったね」
「うん……そうだね」
そんな話をしている間に光の壁を越えて、西軍に入った。
ここからは父さん達にとっては敵地。
気を付けなければならない場所に入ったわけだ。
だけど、静かだ。
拓真達が露払いをしてくれているのはわかるけど、それにしても静か。
まるで、俺達だけが別の世界にいるような。
そんな感じがする。
その違和感に父さんも気付いたのか、辺りをキョロキョロと見回して不思議そうに首を傾げた。
中央通りを南下している途中で、徐々に空が暗くなり始めた。
日が沈んたわけじゃない。
黒い、陰気な雲が空を覆い始めて、ポツポツと雨を降らし始めたのだ。



