東京ルミナスピラー

そう言って布団を捲り、姉さんの身体を起こしてベッドの端に座らせた父さん。


もう、一人では何もすることが出来ないのか、姉さんの身体に力が入っていないように思える。


「ほら、おぶってやるから、父さんにしっかり掴まってるんだぞ。ちょっとだけ、遠くに行くからな」


「ふふ……お父さん、大丈夫? 私、重いんだから無理はしないでね」


言われるままに父さんにおんぶされた姉さん。


少し恥ずかしそうにそう言ったけれど、父さんの目からは涙が零れ落ちていた。


「あ、ああ……本当だ。重いな。こんなに重くなってたんだな。いつぶりだろうな。光をこうしておんぶするなんてな」


「いつだろうね。葵と灯がいたから……私は我慢してた気がするよ」


会話の一つ一つが胸を締め付ける。


灯も堪えきれなくなったのか、俺の腕にしがみついて声が聞こえないように泣いているのがわかる。


「姉さん、もう少しだけの辛抱だよ。皆で散歩に行こう。父さんが疲れたら俺が代わるからさ」


「葵が? お姉ちゃんお姉ちゃんって言ってた甘えん坊が、もうそんなに大きくなってたんだね。じゃあ、その時はお願いしようかな」


そうさ、もう少しの辛抱なんだ。


もう少しで、姉さんはこの街から出られるんだ。