東京ルミナスピラー

それはすぐに歩道橋までやって来て、宙を軽やかに舞う姿は、還暦の人間の動きだとはとても思えない。


「拓真に舞桜。それに……葵、灯!?」


俺達を見るなり、目を見開いて驚いた父さんに、灯が顔をくしゃくしゃにして抱きついた。


「お父さん! もう! 何も言わずに行っちゃうんだから! 心配したんだからね!」


今にも泣き出しそうな顔だったけど、会えた嬉しさの方が大きかったのだろう。


父さんも戸惑っているようだったけど、申し訳なさそうに灯の頭を撫でて笑顔を見せた。


「すまないな。お前がこの街にいるというのは知っていたけど、怖くて会えなかったんだ」


「何が怖くてよ! 私はお父さんとお姉ちゃんに何かあったらって考える方が怖いよ! 本当に心配したんだから!」


灯のその言葉に違和感を覚えたのか、父さんは不思議そうに俺の方を見た。


「そう……か。子供にまで気を遣わせたなんて、父親失格だな。灯にも、葵にもさ」


「違うよ父さん……俺も……怖くて言えなかったんだ」


小さく、聞こえるかどうかという声でそう呟いた。


「名鳥さん、ゆっくり家族の再会を楽しんでほしいとこなんすけど、ちょっとそれどころじゃないんすよ。キングを見付けたんす。それも南軍で」