「痛え痛え! くそっ! くそっ! なんで俺がこんな目に遭わなきゃならないんだよ!」


宗司も俺と同じ目に遭ったということは、これが見えているのか?


「おい、宗司。見てみろよこれ。PBSsystem? って書いてあるけど、なんかゲームみたいじゃないか?」


「はぁ? ゲーム? って、なんじゃこりゃ! マジでゲームみたいじゃないかよ!」


俺と宗司が騒ぎ立てる中で、灯が何かに気付いたように声を出した。


「ね、ねえ……」


「マジかよ! 葵! 地図を開いてみろよ! 航空写真だけじゃなくて立体もあるぞ! どうなってんだこりゃ!」


宗司がはしゃぐのも当然だ。


俺達は普段、スマホで地図なんかを見るけど、このPBSsystemというやつは俺達の目の前の空間に現れて、スマホよりも高性能に思えたから。


「ん? 左下にある『ソウルウェポン』ってのはなんだ? 直訳すると魂の武器?」


「ねぇ! ねぇってば! 葵! 宗司! 何よあれ!」


PBSsystemとやらに夢中になっていた俺達は、灯の言葉でハッと我に返った。


顔を上げて正面に目を向けると……そこに、鬼がいたのだ。