『ではそちらの方! おめでとうございます!』
「キャッ! 私なの!? やったわ!あのイケメンを好きにしていいのね!? お股がうずくわ!」
そう言って、ぴょんぴょん飛び跳ねているのは、やたらデカいガチムチの……男?
まあ、こんなご時世だから人の趣味に文句を言うつもりはないけどさ。
猛スピードでビルを駆け上がったガチムチの男が、屋上に出てイケメンを引き取ると、直ぐにビルの中に戻っていった。
「あ、あ……う、嘘だろ嘘だろ……や、やめ……あ、アッーーーーーーーーー!」
なんか、声がここまで聞こえて来たんだけど。
いや、大和さんの合図はまだかよ!
このままじゃあ灯と夕蘭まで……。
そう思った時、夕蘭が前に出されてしまったのだ。
『お次はこの女子高生! もうそれだけでレア物上物! 今回の目玉の一人です!』
もうダメだ。
大和さんの合図を待っていたら、夕蘭も灯も今以上に酷い目に遭ってしまう。
スクッとその場に立ち上がった俺は、日本刀を取り出して、防音壁の上に乗ろうと足場を探した。
「待て、葵! ここからどうやって向こうに行くつもりだ! 70mを跳ぶつもりか!?」



