『皆様、お集まり頂きありがとうございます。これより、恒例の公開処刑と奴隷提供を行いますので、お静かにお願いします』
例のビルの方から、まるで町内会の放送のような感じの声が聞こえてきた。
壁の穴からその声の方を見てみると……。
そこには、いかにもといった金髪の男が一人。
そして、黒いロングコートを着た人物が二人と、遠目からでも可愛らしいとわかる女性が屋上にいたのだ。
『本日の公開処刑は、「月影派」と「伊良派」の二人、千桜拓也と橘杏子です。彼らは幾度となく、我々「池田派」の邪魔をし、南軍に混乱をもたらした罪で処刑を実行したいと思います』
可愛らしい女性がそう言って、十字架に磔にされた千桜さんと橘杏子らしき人物が男達に運ばれて姿を見せると、蛎殻町公園に集まった人達は一斉に声を上げた。
建物を震わし、空気まで揺らすその音は、異様な獣の雄叫びのようにも聞こえる。
「おいおい……マジかよ。あんなのありか?」
拓真が驚くのも無理はない。
十字架に磔にされた千桜さんも橘も全裸で、しかも両手足を切断された状態。
むしろ、これで生きているのが不思議な状態だった。



