『聖戦が終了しました。お疲れ様でした』
蛎殻町公園の傍にあるビルの屋上に飛び移り、防音壁に穴を開けて周囲を確認すると、対面のビルの屋上から、ロープに吊り下げられた人間の死体があることを見付けた。
どうやら、結城さんが言っていたのはあのビルのようだ。
「ここから向こうまで、ざっと70mか。どうする? あのビルだけ周りのビルより背が高くて、近付いたら一発でバレちまうぞ」
穴から死体を見て、その中に千桜さんの姿がないことに少し安心していた俺は、拓真の言葉でさらにビルの周辺を確認した。
あのビルに池田が現れたとして……気付かれずに接近するのは不可能。
不穏な動きがあれば、千桜さんは元より、灯と夕蘭もどうなるかわからない。
「んー……どうしますかね。あのホテルの屋上から、助走をつけてジャンプするとか」
「お前、本気で言ってる? 俺達が今いるビルの倍くらい高いところから飛び降りる勇気があるのかよ。そういうスキルがないと、墜落してぐちゃーってなるぞ」
そう言われてしまうと……失敗する未来しか見えなくて、実行しようとは思えないな。
「奥のビルから飛び移るってのがベターなんだろうけど、罠の可能性があるんだよなあ。てか、俺なら絶対に罠を張る」



