東京ルミナスピラー

大和さんと結城さんが地図を開いて話している間、俺は部屋の隅でぼんやりと外を見ていた。


今頃母さん、何してるだろうなって。


「そうだ、葵。お兄ちゃんのところに連れて来てくれたお礼をしてなかった。何かしてほしいことはある?」


そんな俺に、舞桜が声を掛けてきた。


いや、連れて来たわけじゃないし、尾行されていることにも気付かなかったわけだからな。


俺は何もしてないし、それなのに今から仲間の救出の為に手を貸してもらおうとしてるんだ。


「手伝ってくれるだけで十分だよ。俺達だけじゃ無理だったから、二人がいてくれたのが本当に助かってるし」


「うん? そうか。そういうものか。でもそれじゃあ私の気が済まないから……ちょっと動かないで」


そう言って舞桜は俺の顔に手を添えて、頬に唇を付けたのだ。


「わーお。結城さん、少年と来たら次はワシだったりする? 今日顔洗ったかな……」


と、大和さんが茶化すように言うけど……なんか違う!


キスしてもらってるわけじゃなくて、なんかベロベロ舐められてるんだけど!


「ちょ、ちょっとちょっと! 何してんの!」


思わず舞桜を引き剥がして、舐められた頬を袖で拭う。


「何って……ママが、感謝の気持ちは示しなさいって。だから示したんだけど、迷惑だったか?」