東京ルミナスピラー

「ぶふっ!」


「ジジイが邪魔をするんじゃないよ。私はこの若者の相手をしているんだからさ」


チラリと浜瀬さんを一瞥し、再び俺に視線を戻した鬼。


「さあ、泣き叫べ。お前の悲鳴で私の苦痛を癒せ」


大口を開けて、俺の頭部を噛み砕こうと迫った。








「諦めるのですか!? ピンチこそ最大のチャンス! 勝つにはこのタイミングしかありませんよ!」










絶体絶命の状況で、また聞こえた謎の人の声。


そう言われても俺にはもう武器はないし、それどころか腕がちぎられてしまった。


左手だけでは首の拘束を解くことさえできない。


それはきっと、右腕が無事で日本刀を持っていても、何も変わらなかっただろうな。


こんな強い鬼と遭遇したのが運の尽きだったんだよ。


鬼の口が迫る。


気味の悪い口内を見ながら、視界の左上にある淡い光が目に入って俺は……。










謎の人物の言葉の意味を理解した。


身体の痛みも忘れて、間に合えと左手を動かす。


目の前に緑の画面が現れる。


もしも、これで失敗すれば俺は本当に死んでしまう。


そんな賭けに出るくらいなら、大人しく殺された方が安全だと思うけど。


俺が死ねば灯も殺される!


そう考えたら、俺の左手は止まらなかった。