東京ルミナスピラー

なんて、考えて戦ってて勝てる相手じゃない。


動きながら鬼の動きを回避して、有効打を与えるしかない!


「浜瀬さん、行きます!」


まだ倒れているであろう浜瀬さんに合図を送り、俺は鬼に向かって地面を滑るように跳んだ。


この勢いを乗せた斬撃を食らわせる為に!


「おほっ! 速いっ!」


笑いながら、帯に挟んでいる扇子を取り出し、滑り込ませた日本刀に合わせた。


ギャリギャリと、扇子から出るとは思えない音が聞こえて。


鬼とすれ違いながら振り抜いた日本刀。


素早く振り返って鬼を見たけど、鬼は俺に背を向けたまま右手を横に伸ばして、手に持った扇子を広げてあおぎ始めたのだ。


つまり……全くの無傷で扇子を傷付けることすら叶わない。


「よ、読み誤ったわ……まさかこんな鬼がおるとは。お嬢ちゃん達。ワシが足止めしてやるから早く逃げろ。こいつには……絶対に勝てん」


灯と夕蘭の前に立ち、ナイフを取り出した中年男性。


どう見ても戦い慣れていないその姿は、無理をしているのが一目瞭然。


「いちち……ちょっと、まだ諦めるのは早いんじゃないの? 強烈な一撃食らって、俺もエンジンがかかってきた所だってのにさ」


浜瀬さんがそう言って立ち上がったけれど、俺にはどうやってこの鬼に勝てばいいかがわからなかった。