東京ルミナスピラー

ちょっと待て。


それはいきなり過ぎるだろ。


え?


俺の本当の父さんが高山真治という男で、それを母さんは知っていたのか?


その男が俺に「招待状」を送ってきた?


「そりゃあ……父さんが驚くはずだ。本当の父さんの名前を知らない俺が、その名前を言ったんだから」


正直、そう言われても俺はどんな感情を持てばいいのか。


率直に感じたのは怒りだった。


「その招待状はきっと、あの光の中に入るために必要な物。高山真治は……きっとこうなることがわかっていて、あなたに招待状を送ったのかもしれないわね」


「はっ。なんだよそれ? 母さんが一人で俺を産んで、死ぬ時もいなかったやつが、俺に今更なんの用があって招待状なんて送って来たんだ!? 俺の幸せな生活をぶち壊すためか!?」


「あの光の中のどこかに、きっと高山真治はいるわ。そして、父さんと光もあの中にいる」


母さんのハッキリと口には出さないけど、言いたいことはわかってるつもりだ。


16年間、俺達は親子だったんだもんな。


父さんと姉さんを探して、連れて帰れって言いたいんだろうな。


断る理由なんてない。


俺がこの家に引き取られたのは、この為だったんじゃないかと思えるから。


血の繋がりがない俺を今まで育ててくれた恩返しはしないとな。