東京ルミナスピラー

と言っても、接近戦でまともに戦えそうなのは俺と浜瀬さんくらいだ。


自分の限界はわかっているつもりだけど、浜瀬さんの実力は未知数。


そして、この攻撃でも死なない鬼の強さもわからない。


「ここまで来たらやるぞ、葵くん」


「はい。集中します」


右手に日本刀、左手に鞘を持ち、半身に構えた。


鬼達の光が徐々に晴れ、その中から人影がこちらに向かって歩いているのがわかる。


カラン、コロンと、木が地面に擦れるような音が聞こえて……浴衣を着た長身の男。


いや、その額から禍々しい二本の角が生えていて、ただの鬼とは違うというのが見ただけでわかる。


「おやおや、大層なお出迎えだねぇ。ちょいと驚いたけど、注目されるのは嫌いじゃない。むしろ大歓迎さ」


他の鬼……ポーンと比べても随分流暢に話すじゃないか。


まるで人間の心が残っているかのような……姉さんのようだと錯覚してしまう。


「皆、退け! それぞれのグループに戻るんじゃ! ワシらが引き付けておる間にな!」


中年男性の指示に従うように言われていたのだろう。


俺と浜瀬さんが対峙している間に、集まっていた人達がいなくなるのを横目に見つつ、目の前の異様な鬼を睨み付けた。