東京ルミナスピラー

チラリとその方向に目をやると、ロングコートを着た、ボサボサの頭の男が一人。


赤い影だから西軍の人のようだけど……。


「ほら、何しとるんや! 死にたくなかったらこっちに来いって!」


俺達に向かって手招きをしているその姿は、なんとも胡散臭い。


そんなところにいるなら、手伝ってくれてもいいのに。


「ど、どうしますか浜瀬さん!」


ひたすら日本刀を振り続け、迫り来る鬼を斬りながら尋ねるが、浜瀬さんもどうすればいいかわからないみたいだ。


「ええい! この状況じゃ信じるしかない! 灯ちゃん! 夕蘭ちゃん! あのおじさんのところまで走って!」


「くぉら! 誰がおじさんじゃ! あんたよりは若いわ!」


ジリ貧になって全滅するくらいなら、怪しくても頼った方がいいか。


「よし、葵くん……せーので走るぞ」


「わかりました」


「行くぞ。せーのっ!」


その合図と共に、最後の一振りをして鬼を倒した俺は、その反動を利用して後方に向きを変えて走り出した。


浜瀬さんも同じように併走して、中年男性の元に走る。


「よーしよし、ええでええで。これで集まった鬼を殲滅出来るわ」


中年男性がそう言って手を上げた次の瞬間、ビルの屋上や車の影に身を潜めていた人達が顔を出し、弓やボウガンといった遠距離武器を構えたのだ。